「今日は仕事、ないの?」
「あ、あります! いけない!もう行かなくちゃ!」
「え、マジ?」
「一回、帰ってお風呂入って着替えなくっちゃね。」
カホは、焦るように、残りのカフェオレを飲む。
「シャワー、貸してやるよ。なんなら、俺の服着ていけば?」
「ええ!!…………まあ、着れなくもないか。。。私、メンズもよく着るし。」
「そうしたら、まだちょっとはゆっくりできるんだろ?」
俺は、おいでおいでと手招きして、寝室のクローゼットに連れて行く。
カホは再び目を丸くして、俺を見上げる。
「これ、高岡さんのコレクション?」
「いや、コレクションってか、好きで集めたやつ。」
「すっごい!! ビンテージものばっかりじゃないですか。」
「そうでもない。×ニクロだって着るし、自分の身体にあってるかどうかだよ。」
「なんか芸人高岡さんの衣装は決まってるけど、なんか私服公開したらめちゃ面白い企画できそうなのになあ。」
俺は、奥から出してみる。
「あ、コレ、俺がめちゃ痩せてた時気に入ってたやつ。これなら、少しデカイけどはけるんじゃね?」
薄い色のダメージデニムを手に取る。カホが腰ではけば、ボーイフレンドデニムみたいになるだろう。
「わ、すごっ。これもビンテージのやつ? もったいない。もうはけないの?」
「中年太りです。」
「ていうか、こんなに痩せてた時があったんだ。高岡さん。」
「悪かったな。だって、貧乏の時は1日1食とか二食だったしな。Tシャツとかもこんなフツーのでも、お前だったら着こなしそう。この辺から選べば?」
「うーん、あ、これかわいい!これ貸して。」
カホが手にとったのは、ポロの古着のベージュのポロシャツ。
「どうぞ。ほれ、タオル。シャワーいいよ。」
「ありがとう。なんか、高岡さんちは、至れり尽くせりだ。」
カホが、シャワーを浴びている間、俺は食器を洗いながら考える。
しかし、いい人だよな、これじゃあ。
ホントに俺は、一体どうしちゃったんだ。こんなの、らしくない。
でも、慌てて帰られるよりも、少しでもカホをとどめておきたいという気持ちだったんだ。
そして、俺の箪笥の中の価値をわかってもらえたのもちょっと嬉しい。
まあ、だいたいなんでこんなぼろジーンズにうん十万かけるのよ!ってのが今までの女との喧嘩の原因だったりして。
そして、服を貸したら、またそれを口実に会える。
「あ、あります! いけない!もう行かなくちゃ!」
「え、マジ?」
「一回、帰ってお風呂入って着替えなくっちゃね。」
カホは、焦るように、残りのカフェオレを飲む。
「シャワー、貸してやるよ。なんなら、俺の服着ていけば?」
「ええ!!…………まあ、着れなくもないか。。。私、メンズもよく着るし。」
「そうしたら、まだちょっとはゆっくりできるんだろ?」
俺は、おいでおいでと手招きして、寝室のクローゼットに連れて行く。
カホは再び目を丸くして、俺を見上げる。
「これ、高岡さんのコレクション?」
「いや、コレクションってか、好きで集めたやつ。」
「すっごい!! ビンテージものばっかりじゃないですか。」
「そうでもない。×ニクロだって着るし、自分の身体にあってるかどうかだよ。」
「なんか芸人高岡さんの衣装は決まってるけど、なんか私服公開したらめちゃ面白い企画できそうなのになあ。」
俺は、奥から出してみる。
「あ、コレ、俺がめちゃ痩せてた時気に入ってたやつ。これなら、少しデカイけどはけるんじゃね?」
薄い色のダメージデニムを手に取る。カホが腰ではけば、ボーイフレンドデニムみたいになるだろう。
「わ、すごっ。これもビンテージのやつ? もったいない。もうはけないの?」
「中年太りです。」
「ていうか、こんなに痩せてた時があったんだ。高岡さん。」
「悪かったな。だって、貧乏の時は1日1食とか二食だったしな。Tシャツとかもこんなフツーのでも、お前だったら着こなしそう。この辺から選べば?」
「うーん、あ、これかわいい!これ貸して。」
カホが手にとったのは、ポロの古着のベージュのポロシャツ。
「どうぞ。ほれ、タオル。シャワーいいよ。」
「ありがとう。なんか、高岡さんちは、至れり尽くせりだ。」
カホが、シャワーを浴びている間、俺は食器を洗いながら考える。
しかし、いい人だよな、これじゃあ。
ホントに俺は、一体どうしちゃったんだ。こんなの、らしくない。
でも、慌てて帰られるよりも、少しでもカホをとどめておきたいという気持ちだったんだ。
そして、俺の箪笥の中の価値をわかってもらえたのもちょっと嬉しい。
まあ、だいたいなんでこんなぼろジーンズにうん十万かけるのよ!ってのが今までの女との喧嘩の原因だったりして。
そして、服を貸したら、またそれを口実に会える。


