俺は全てうどんを平らげ、カホが買ってきた薬を飲む。
カホに早く寝ろ寝ろと言われて、部屋の電気を消されて布団をかぶせられたら、本当にそのまま気持ちよく朝までぐっすり寝落ちしてしまった。

朝、目を覚ますと、身体が軽くなっている。
まだ少し鼻水や咳はでるが、自分自身回復しているのがわかる。
カホのおかげだな。
こんなに安心してぐっすり眠ったのも久しぶりだ。

起き上がって、部屋を出てリビングに行くと、俺が使った食器は綺麗に水切りカゴに並べられ、着ていた服は洗濯されて乾燥機の中ですっかり乾いていた。
おまけに、冷蔵庫には、ヨーグルトやゼリー、水も何本か入っている。

俺はムショーに申し訳なく思う。

きちんとありがとうって言えなかったな。

スマホがなって、ビクッとする。
カホかと少し淡い期待をしたのが間違いだった。 マネージャーからだ。

「おい、大丈夫かー? 今日は14時入りなんだけどさ。治ったか?」
「うん。だいぶ、いいよ。おかげさまで。心配かけたな。」
「さすがプロ意識高いな。1日で回復。じゃ、13時半に迎えに行くから。」
「はいよ。」


そうだ!と思い、スマホに残ったカホの着信の番号を登録する。
風邪をひいたおかげで、カホの番号もゲットできた。

お礼の電話をしようと指が動くが、躊躇する。
今はもう、仕事中だ。
やめておこう。
メッセージ。。。えっと、なんて送ろう。 まあ後でよく考えてから送ろう。