見透かされた気がして、胸が痛かった。

「ところで我々は、どうすればいいですか?」

津田先生が荷物を降ろすと、今度は先生にも、土井先生は冷たい目線。

「あんたは医者だろ。俺の指示がなくても勝手に患者を治せ。」

「はい。」

厳しい指示。

これは本当に勉強なんだろうか。

「じゃあ、次の患者さんを。」

早速津田先生は、並んでいる患者さんに、手を差し伸べた。

すると患者さんは、首を横に振って、何か言っている。

「Dr,ドイではないと、診てもらいたくないと言っています。」

津田先生は、ガクッときている。

「私は、Dr,ドイと同じ日本の医者です。信じて下さい。」

そう言うと、何とか津田先生の前にやってきた。

「千奈ちゃん、バイタル測ってみる?」