私、今村雪(いまむらゆき)の毎日は大変だったりする。

「雪、料理なんて危ない!!僕がやるから雪は座ってて!!」

朝の七時。朝ご飯を作ろうとすると、パジャマからヨーロピアンカジュアルな服に着替えた高身長イケメンがキッチンに行こうとする私の前に立ち塞がる。彼の名は天宮智也(あまみやともや)。私より歳上で会社員をしている。一応同居している私の彼氏だ。

「天宮さん、私は今日大学の講義があるんだ。お弁当を作らないと……」

「なら僕が作る!雪は座って!」

強制的に椅子に座らされた。ここまではただ彼が過保護なだけに見える。だが実際は違う。色々面倒くさい人だ。

「天宮さん、今日は帰りに友達とカラオケに行ってもいい?久々にみんな予定がなくて」

すると、天宮さんの目が一瞬にして鋭くなる。包丁を手にしたままこちらに歩いてきた。

「ねえ!そこに男はいないよね?いたら僕、君のことを包丁で刺しちゃうかもよ?」