しかし、その日から毎日彼はいた。
私も最初は無視していた。
が、ずっと校門前をウロウロしているので…
「あの!」
しびれを切らしたわたしが話しかけると、彼はとても驚いていた。
「半田くんは今日学校来てませんよ」
「そんなこと知ってる」
え、この人は何を言ってるの?
知ってたらどうしてこんな学校の前にずっといるの?
「お前と話してみたかった。」
「えっ?」
耳を疑う言葉だった。私が目的だったなんて。
何かの間違いだと思った。
「いや、その、…あの…は、はんだくんさんを…ですね…」
「じゃ、じゃあ…半田くんと知り合いっていうのも嘘ですか?」
「それは嘘じゃない…!
それに、お前と話してみたかったっていうことも嘘じゃ…ない…」
顔が熱くなるのが分かる。
「お前と話してみたかった」
こんな事初めて言われた。
胸がドキドキする
こんな感情初めてだ。
ほとんど会ったことない人なのに…
「これからどこか行かねぇか?」
(はい…)
思わずそう言いたくなった。
でも…
(あなたは勉強だけしていればいいの)
母親の言葉が頭をよぎる。
「私勉強があるので……」
そう言って私はその場を去った。
胸がモヤモヤする…。
何だか泣きそうだ。。
あそこで一緒にどこかに行けば何か変わったのだろうか。
私にも友達が
出来たのだろうか…

