『なんだぁ、そんな事か‥‥え?学校?』


予想していた話の内容と異なり、思わずパチパチと目を瞬いた。

今、お兄学校って言った?


『お、お兄?でも‥‥学校なんて、高いよ?』

『そこは兄ちゃんが頑張ったから安心しろー』

『だって、‥‥お金が、』

訳あって私やお兄は、かなり節約して生活してた。それは今も同じ。

確かになのちゃんのポスターとか貼ってあるけど、古くなったものを書店屋さんから貰ったものだし、

ブロマイドだって中古で買ったやつ。



携帯を持つなんて正直論外。だってあれ、基本料金が高いから。


『コト、俺さずっと思ってた』

『?』

『お前にはさ普通の学校生活、送らしてやりたいってな』

『そんなの、別に、』



別に私は平気だよ、そう言いたいのにお兄らしくない優しい目で私の頭を撫でてくるから、

出かかっていた言葉を飲み込んだ。


『それにな、俺の知り合いが話し通してくれてさ

まぁ、色々妥協しないといけないとこはあるかもだが、』




高校生活、送ってみないか?

と、お兄は私が寝転がっているベッドの側で片膝付き、視線を合わせたままポンポンと頭を撫で続ける

昔と変わらず、優しい手つき