ノック無しにドアを開け、ひょっこりと顔を覗かせた人は私のお兄

名前はふぅくん

漢字にすると、風って書いてふぅ。



年は3歳離れてて、お兄は世間で言えば大学生。でも働いてるから社会人!

で、私も世間一般で言えば高校生だけどお兄のお仕事先で働いてるから、私も社会人


とは言っても最終学歴が中学だから、お兄の仕事先以外は厳しくてお兄が口利きしてくれて、

やっと働けている状態



『なに、ふぅにぃ』

『あー‥‥のさ、その、』

『?』


珍しく歯切れの悪いお兄。忙しなく視線を彷徨わせ、頭をくしゃりと掻き乱す。

あ、お兄の癖だ

頭を搔く時は、言いにくい事や頼みごとを話す時



左右に視線を彷徨わすのは話す内容をどこから話すか、迷っている証拠

お兄が私に言いにくいこと、か

思わず先読みし、思い当たったのは買いだめしていたお菓子が消えていた事


ゴミ箱を見たら空になったお菓子の箱が捨ててあったのを思い出す。

流石にお菓子を食べられて怒るほど子供じゃないんだけど、



他にあるとしたら、


『コッコ、その‥‥学校に行かないか?』