顔を上げれば、端正な顔立ちが視野に入った。

すっと通った鼻。薄い唇。
そして澄んだ瞳。

お洒落なフレームのメガネを掛けていても、隠す事が出来ていない端正な容姿


話し方も外見に合い、物腰の柔らかさが言葉の節々で伝わる人。



『よかったら案内するよ。その、‥‥キミのお茶を台無しにしてしまったからな』

ポツリと溢された言葉。

どこか申しなさげに、落としたお茶を拾い『すまなかった』と、再度頭を下げられた

『頭を上げてくださいっ、気にしてませんから』

『だが、‥‥その』

『ただ喉が渇いてただけで、どうしても飲みたかったとかではなくて‥‥えっと、』



慌ててフォローを入れるも、話してて墓穴をほってる気がするのは気のせい?


これじゃあまるで新しい飲み物買ってよ、

みたいに聞こえてないかなぁ


そう考えていたら、1人百面相をしていたらしく。

小さく彼が笑った。



『近くに別の自販機がある、ここの自販機よりそっちへ行くか』

『‥‥え?自販機って、そんなにあるんですか?』

『ん?あぁ、そうか、キミは知らなかったな。』

『?』