「おい、真戸華。そんなに走るとコケるぞ?」


観月雅哉(みづきまさや)は前を走る恋人に声をかけた。


「何言ってるの。子供じゃないのよ?あたしなら大丈夫」


と、笑顔で答えたのは笹根真戸華(ささねまどか)。


雅哉の恋人だ。


二人はやっと取れた休みを使って、一泊二日の温泉旅行に来ていた。


部屋は広々としていて、窓からは緑で溢れた自然を見ることができる。



旅館のすぐそばに土産物屋があると聞いて、二人は温泉に入った後そこを訪れていた。