「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」




 一瞬にして右目の視界が奪われた。


 残った左目の視界も、すぐに真っ赤に染まっていく。


 痛みはなかった。ただ目の前に一切の光を通さない暗い幕が落ち、瞼を開いても何も見えないことに息もできないほどの恐怖を感じる。


 ――人間の脳は情報源の80パーセントを視覚に頼っているという。


 それが奪われたとき。


 あたしはただ闇雲に手を振り回すと、そこに冷たく固い感触を感じた。


 もうどうなったっていい。何が起きても、あたしは構わない。


 ガシャーーーーーーン!!


 ガラスの割れる音が耳元で響き、次の瞬間、あたしは空に身を投げ出していた。


 ◇