『朝食のラウンジに台湾のスタッフマネージャーがいるはずです。話をしておきます。時間がないので早めに食べに行って下さい』

「わかった。でも、僕、ラウンジの場所が分かりません」

 カクっと頭を下げるトラブル。

『では、一緒に行きましょう』

「はい。トイレにいってくるから待ってて」

 テオを待つ間にブーツを履き、リュックを背負い、カバンを肩にかける。

 テオの着替えを待ち、一緒に部屋を出る。



「遅いですよ」
「テオ、こっち……⁈ 」

 声を掛けたノエルは、テオがトラブルと一緒に入ってきたので驚く。

 周りのスタッフも気が付いて、ざわついた。

 トラブルは真っ直ぐ台湾スタッフマネージャーに向かい、ルームキーを見せてテオと同室になっている事を伝える。

「それは申し訳ありません。すぐにお部屋をご用意いたします」

 ほっとしたトラブルは、とりあえず荷物を置き、隅のテーブルで朝食にする。

 テオはメンバー達のテーブルでノエルの隣に座る。

「同室って、どういう事?」
「朝、起きたらね、トラブルがシャワーから出て来てビックリしたよ」
「意味、分かんないんだけど!」

「だからー」と、説明するテオ。

「そんな事ある?」
「普通、誰かが寝ていたら気が付くだろー」
「昨日の状況じゃ、私も気が付かなかったと思いますね」
「ねえ、トラブルのパジャマ見た?」

 ジョンの無邪気な質問に、バスルームから出て来たトラブルを思い出し、テオは顔を赤くする。

「何で赤くなるの?」
「テオ、何を見たのですか?」
「言え! 言うんだ!」

 テオが小声で「黒のパンツ…… 」

「どわぁー」「ひゃー」と、ジョンとノエルが奇声をあげる。

「セスに謝れっ」と、ノエル。
「何で俺⁈ 」
「すみません」
「だから何で謝る⁈ 」

 5人で笑えば昨日の疲れも吹っ飛ぶ。