家に帰ってキッチンを覗くと、お母さんが夕飯を作っていた。
「お母さん、ただいま! ごめん、今日はご飯、出来るだけ早く食べたいんだけど……」
「おかえり。どうしたの、なんか嬉しそうね? 見たいテレビでもあるの?」
「うーん、まあ、そんなところかな。部屋戻るから、宜しくね!」
いけない、他人から分かるくらい嬉しそうに見えていたのか。
二階の自室に入り、部屋着に着替え終わるとすぐにスマホをチェックする。
もちろん、まだ連絡は来ていなかった。
御飯まで時間があるので、ベッドに横になり、九重先生について考えてみる。
確か、最初担任として教室に入って来た時から、彼はとても不健康そうだった。
その後も、何も無いところで転んでいたり、教材を職員室に忘れて授業に来るなんて事もあった。
同じクラスの人達は先生に呆れていたが、私は、どうしても彼が気になって、気付けば目で追っていた。
そんな先生だったが、生徒の前ではいつも笑顔だったし、ミスは多いが、とても良い先生だ。
周りの人は先生の事を悪く言うから、それで傷付いてないか心配だった。
先生が辛い思いをしてるのは、寝不足のせいだろう。
何とか、彼を健康にしてあげなくては。
