先生へ、子守唄を。




先生の寝顔を眺めて、どれくらい経っただろう。

茜色に染まりだした空が視界に入り時計を見ると、下校時刻の三十分前だった。

帰らなくては、でも先生が。

悩みに悩んだ挙げ句、申し訳ないが起こさせてもらう事にした。



「先生、九重先生。起きて下さい!」



軽く肩を揺すると、眉間にしわを寄せながらゆっくりと起き上がった九重先生。



「俺、寝てた?!あっ、えっと、新堂さん?」



「はい。先生、何があったか、覚えてますか?」



九重先生は、暫く考えた後、自分の手を顔に当てた。



「あー、そうか。俺、また眠気が……えっと、新堂さん、ごめんね。先生怖かっただろ? ありがとう、助かったよ」



「いえいえ。先生は、いつも寝るのが怖いんですか?」



「そうだなぁ、家では茶々助と一緒に寝てるから、少しはマシだけど……」



茶々助?と尋ねると、一人暮らしを始めた頃から飼っている、大型犬の事だと教えてくれた。

やっぱり、普段から眠れてないのか。