「んっ……」

笹原音羽(ささはらおとは)が目を覚ますと、そこには見慣れない天井があった。

「ここは……」

音羽が起き上がろうとすると、ジャラジャラと嫌な音が響く。音羽が柔らかな布団をめくると、自分の両手足には重い鎖がつながれていた。

「ひっ……!何これ!!」

音羽は鎖を引っ張るが、鎖はジャラジャラ音を立てるだけで外れない。相当頑丈に作られているようだ。疲れてしまい、音羽は鎖を引っ張るのをやめる。そして、部屋を見回した。

部屋には、音羽が眠っている大きめのベッドの他に、テレビや本棚、そしてクローゼットにドレッサーまで置かれていた。家具は全て音羽の好みの白いヨーロッパ調のものだ。本棚には音羽の好きな漫画や雑誌、本が並べられ、ゲームまで置いてある。

「私、Altairのライブに行ったんだよね……」

テーブルの上には、音羽がライブで買ったグッズが丁寧に並べられている。そしてAltairのCDが全て揃えられていた。