まどろみの中で、どこか遠くから聞こえる低体温の囁きと、身体を駆け巡る確かな熱。
夢か現実かの境界が曖昧な中で、僕の両手は誰かにしっかりと握られていた。左手はにこる、右手は南ちゃん。その温度を感じながら、下半身には全く別の、火照るような感触が伝わってくる。
「……え、なに、これ……」
夢心地のまま、僕は小さく喘いだ。ただ、背徳的で、けれど抗いがたい快感が僕の意識を塗りつぶしていく。
「……気持ちいいな」
そう口にした瞬間、僕の身体から何かが弾け出し、意識が完全に覚醒した。
目を開けると、そこにはナースステーションの天井と、すぐ近くで僕を見下ろす二人の顔があった。
「夢じゃないよ」
にこるがそう言って、少しだけ悪戯っぽく、けれどどこか真剣な眼差しで微笑む。
「私たち、まだ看護師になりたてだから……注射の打ち方とか、そういうケアの練習がしたくて」
そんな言い訳は、明らかに形だけのものだった。彼女たちの手つきは、患者への処置というよりも、もっと本質的な、男の渇望を満たすための……そう、あのピンク色のバスが運んでいた場所で交わされるような、秘め事そのものだった。
「ごめんね、全部出しちゃって」
僕が乱れた息で謝ると、南ちゃんが手慣れた手つきで僕を拭きながら、優しく、でも逃げ場のない口調で言った。
「こういうことが、欲しかったんでしょう? ……一人で抱え込んで、風俗店に行って、汚れた心と体を繰り返して。そんなことしなくても、私たちがいるじゃない」
二人の手によって、僕は魂の底から丸裸にされていた。彼女たちは、僕がずっと隠し持っていた、誰にも言えない「風俗に行きたくなるほどの飢え」を、ナースステーションという場所で、あえて同じやり方で満たしてくれたのだ。
それは救いなのか、それとも共犯関係なのか。
僕はその夜、底なしの安らぎの中で、これ以上ないほど深い眠りに落ちた。
翌朝、カーテンの隙間から差し込む光が、昨夜の出来事を照らし出した。
「……よく寝れたでしょ?」
にこると南ちゃんが、昨日と同じナース服で、何事もなかったかのように微笑みかけてくる。その表情には、昨夜の妖艶さは消え、ただの優しい看護師としての顔があった。
「あかりには、内緒だよ。……これは、私たちとあんただけの、特別な『治療』だから」
二人が口元に人差し指を立てる。
あかりが目を覚まして部屋に入ってくる気配がした。僕は心臓が跳ね上がるのを感じながら、ただ小さく頷くことしかできなかった。
あの夜、病院のナースステーションで起きたことは、僕の魂の深い傷口に、彼女たちという絆創膏を貼るための、最も過激で、最も温かい「密約」となった。
夢か現実かの境界が曖昧な中で、僕の両手は誰かにしっかりと握られていた。左手はにこる、右手は南ちゃん。その温度を感じながら、下半身には全く別の、火照るような感触が伝わってくる。
「……え、なに、これ……」
夢心地のまま、僕は小さく喘いだ。ただ、背徳的で、けれど抗いがたい快感が僕の意識を塗りつぶしていく。
「……気持ちいいな」
そう口にした瞬間、僕の身体から何かが弾け出し、意識が完全に覚醒した。
目を開けると、そこにはナースステーションの天井と、すぐ近くで僕を見下ろす二人の顔があった。
「夢じゃないよ」
にこるがそう言って、少しだけ悪戯っぽく、けれどどこか真剣な眼差しで微笑む。
「私たち、まだ看護師になりたてだから……注射の打ち方とか、そういうケアの練習がしたくて」
そんな言い訳は、明らかに形だけのものだった。彼女たちの手つきは、患者への処置というよりも、もっと本質的な、男の渇望を満たすための……そう、あのピンク色のバスが運んでいた場所で交わされるような、秘め事そのものだった。
「ごめんね、全部出しちゃって」
僕が乱れた息で謝ると、南ちゃんが手慣れた手つきで僕を拭きながら、優しく、でも逃げ場のない口調で言った。
「こういうことが、欲しかったんでしょう? ……一人で抱え込んで、風俗店に行って、汚れた心と体を繰り返して。そんなことしなくても、私たちがいるじゃない」
二人の手によって、僕は魂の底から丸裸にされていた。彼女たちは、僕がずっと隠し持っていた、誰にも言えない「風俗に行きたくなるほどの飢え」を、ナースステーションという場所で、あえて同じやり方で満たしてくれたのだ。
それは救いなのか、それとも共犯関係なのか。
僕はその夜、底なしの安らぎの中で、これ以上ないほど深い眠りに落ちた。
翌朝、カーテンの隙間から差し込む光が、昨夜の出来事を照らし出した。
「……よく寝れたでしょ?」
にこると南ちゃんが、昨日と同じナース服で、何事もなかったかのように微笑みかけてくる。その表情には、昨夜の妖艶さは消え、ただの優しい看護師としての顔があった。
「あかりには、内緒だよ。……これは、私たちとあんただけの、特別な『治療』だから」
二人が口元に人差し指を立てる。
あかりが目を覚まして部屋に入ってくる気配がした。僕は心臓が跳ね上がるのを感じながら、ただ小さく頷くことしかできなかった。
あの夜、病院のナースステーションで起きたことは、僕の魂の深い傷口に、彼女たちという絆創膏を貼るための、最も過激で、最も温かい「密約」となった。
