「あかり、ちょっとトイレに行こう」
ニコルがさりげなく声をかけた。それを聞いた瞬間、僕の足が勝手に動き出す。
「いや、僕も……僕も行く。一緒に行きたい」
ニコルは一瞬きょとんとした後、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべた。彼女は僕の魂胆を見透かしているのだ。
「あーあ、嘘つき。トイレに行きたいんじゃないんでしょ? あかりちゃんから出たものが欲しいんでしょ。ねえ、そんなの見せたくないもんよ」
ニコルはそう茶化すと、横でクスクスと笑う南ちゃんに向かって、わざとらしいほど大きな声で暴露し始めた。
「あのね、美波ちゃん。以前私が牛乳をこぼした時、秋生くんね、すごーく興奮してたのよ。あかりちゃんも、私がそんなふうに見られちゃってたんだって今頃気づいちゃったかな? ……だから美波ちゃんも、秋生くんには気をつけたほうがいいわよ」
地下のレストランに、みんなの弾けるような笑い声が響いた。あかねも正男も、あかりさえもが肩を揺らして笑っている。僕の赤面はもはや隠しようもなかったが、そこには嫌悪感なんて微塵もなかった。この地下では、恥ずかしささえも共有できる「秘密」になるのだ。
ニコルはからかうような視線を僕に投げかけたあと、肩をすくめた。
「まあ、いいわよ。そんなに一緒に行きたいなら。ねえ、あかりちゃん、一緒に行ってあげればいいじゃない」
ニコルが許しを与えたような口ぶりで言った。僕は心臓を高鳴らせながら、あかりの横に並んだ。
「……行こう、あかり」
あかりは少しだけ照れくさそうに、でも嬉しそうに頷いた。
僕たちは連れ立ってトイレへと向かった。地下の薄暗い通路を歩く間、あかりの体温がすぐ隣に感じられる。地上の病院では決してありえない、この密室の聖域。僕にとっての「日常」は、今、彼女との小さな秘密を分かち合うことで、より一層鮮明に色づいていた。
ニコルがさりげなく声をかけた。それを聞いた瞬間、僕の足が勝手に動き出す。
「いや、僕も……僕も行く。一緒に行きたい」
ニコルは一瞬きょとんとした後、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべた。彼女は僕の魂胆を見透かしているのだ。
「あーあ、嘘つき。トイレに行きたいんじゃないんでしょ? あかりちゃんから出たものが欲しいんでしょ。ねえ、そんなの見せたくないもんよ」
ニコルはそう茶化すと、横でクスクスと笑う南ちゃんに向かって、わざとらしいほど大きな声で暴露し始めた。
「あのね、美波ちゃん。以前私が牛乳をこぼした時、秋生くんね、すごーく興奮してたのよ。あかりちゃんも、私がそんなふうに見られちゃってたんだって今頃気づいちゃったかな? ……だから美波ちゃんも、秋生くんには気をつけたほうがいいわよ」
地下のレストランに、みんなの弾けるような笑い声が響いた。あかねも正男も、あかりさえもが肩を揺らして笑っている。僕の赤面はもはや隠しようもなかったが、そこには嫌悪感なんて微塵もなかった。この地下では、恥ずかしささえも共有できる「秘密」になるのだ。
ニコルはからかうような視線を僕に投げかけたあと、肩をすくめた。
「まあ、いいわよ。そんなに一緒に行きたいなら。ねえ、あかりちゃん、一緒に行ってあげればいいじゃない」
ニコルが許しを与えたような口ぶりで言った。僕は心臓を高鳴らせながら、あかりの横に並んだ。
「……行こう、あかり」
あかりは少しだけ照れくさそうに、でも嬉しそうに頷いた。
僕たちは連れ立ってトイレへと向かった。地下の薄暗い通路を歩く間、あかりの体温がすぐ隣に感じられる。地上の病院では決してありえない、この密室の聖域。僕にとっての「日常」は、今、彼女との小さな秘密を分かち合うことで、より一層鮮明に色づいていた。
