私の名前は小林 彩。
今私は中学を卒業して、そして失恋をした。

あれは中学2年の夏休み…
1つのライングループに入った事から始まった。
私は友人にその時ハマっていたゲームの情報交換などをする為に作られたライングループに招待された。
そこには数十人というそれなりの人数がいた。
友人以外知り合いもおらず、みんな知らない人だと思っていた。
そんな中1人の人から友達追加された。
その人のライン名は「リューク」。
彼から「どもです。」その程度の挨拶がきた。
私は「はじめまして。」と返した。
その後彼が言った名前に驚いた。
「佐東 龍です。」
知っている名前だった。
彼は同じ学校のバスケ部の人だ。
クラスは違うが体格が大きく身長が高いこともありそれなりに目立っている人だった。
彼は相手が私であることを知っているのだろうか。
一応私も軽く自己紹介し、知っているか確認をしてみた。
私は自分で言うのもあれだが、それなりに学校では顔も広く名前も知られている方だと思う。
もちろん彼も私の事は認識していた。
何故、私のラインを登録してきたのかは今でもわからないがそれがきっかけで私は彼と知り合えたことをとても良かったと思う。
その後暫く、たわいない話が続いた。
正直、私が想像してたイメージと違った。
あまり話さず笑わず少し怖いとまで思っていた。
ラインだけでしか話したことがないからか、とても普通の男の人だった。

次の日もラインが続いた。
ここまで連絡すると思っていなかったが楽しんでいる自分もいた。
だんだん話していくうちに恋バナなんかするようになり、ふとした時彼がこんな事を聞いてきた。
「もし、俺が告白したらどうする?もしもねw」
まだ話して2日しか経っていないのにこんな事を聞かれると思ってもいなかった。
なんて返答しようか迷ったが、彼氏も出来たことがない、ましてや好きな人なんかもいなかった私には少し興味が引かれる言葉だった。
「いいよって言うかなw」
好きだからではなかった。
ホントに安易で興味本位の返答だった。
そしたら彼は仕切りなおすかのように「好きです。俺と付き合ってください。」と言ってきた。
正直すごく嬉しかった。
告白なんかされたこともなかった。
初めての言葉にすごく惹かれた。
私は流れのままの「こんな私で良ければお願いします。」と返答していた。

こんな形で始まった私の夏休み…。
この時の私はまだ人を本気で好きになるという事をわかっていない…。