「さて、落ち着いてきたところですし、アナタの質問に答えていきましょうか。まずは私の自己紹介から。私はアナタたちの世界の神様です。どうぞよろしくお願いしますね」
「は、え、はい?」
ゆったりとした流れで自己紹介をした後人形の彼、元いい自称神様が私に握手を求める。
驚いてその手を取ることを忘れていると自称神様が「…握手、お嫌ですか?」と悲しそうに言ってきたので急いでその手を取って握手をした。
は、え、はい?
「か、神様?アナタが?」
「ええ。そうですよ。そしてここは神の領域、神域と言います。我々、神が住んでいる場所ですね。アナタが初めに居た白い場所も学校の真上もこの部屋も全部神域、神の力によって自由に形を変えられる場所でもあるんですよ」
「はー」
とんでもない自称神様の話になんとかついて行き相槌を打つ。心ここに在らずな相槌だが一応話は聞いている。
死んでしまった訳だし、神様に会えるのも何ら不思議なことではないはずだ。うん。
「先程は私の力で神域からアナタの世界を一時的に見られるようにしました。今も見ようと思えば見られます」
そういうと自称神様は立ち上がり私の隣に来ると私の肩に触れ、私の肩に触れていない方の手をあげた。
「ほら、ね?」
「……っ!」
すると辺りは先程までいた豪華な部屋ではなく、廃れた学校へと変わっていた。
「まぁ、いろいろと条件が揃ってできることなんですけどね?そしてこれが先程も言いましたがアナタが生きていた世界で、アナタのせいで滅んでしまった世界であるという訳です」
そう説明し終わると自称神様はもう一度私の肩に触れていない方の手をあげた。目の前に広がっているのは廃れた学校ではなく、先程いた豪華な部屋だった。



