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そしていよいよ準決勝。目の前にいる相手はもちろん武。
準決勝では先程まで行われていた同時進行実戦とは違い、会場が1つに絞られるので、全校生徒大注目の中での実戦となる。
ちなみに私と武の実戦のあとは蒼と琥珀の実戦がある。
実質、守護者大本命の四神家の名家のご子息勢揃いと言ったところか。
ここまで4人とも十分に実力を発揮してきた。お互いにあとはいい感じに戦えれば合格点だろう。
「それでは準決勝を始めたいと思います。始め!」
私と武の間にいる審判員がそう声をあげた。
これが実戦始めの合図だ。
最初に仕掛けてきたのは武だった。とりあえず様子見と言った感じで私の頭上に大量の水が現れる。
そしてその大量の水はザァーっと大きな音を立てて私に襲いかかってきた。
これは普通に避けることもできる攻撃だし、今の実力なら火で直接蒸発させることもできる。
私の実力を測るための一手。
…避けるか。
そう判断して私はひらりとそれを避けた。
そして避けながら武目掛けて強めの火を放つ。
もちろん狙いは武のチョーカー。
だが、このくらいの力の火なら武に簡単に消されてしまうだろう。
…と思っていたのだが。
「え」
私の放った火はそれを防ごうとした武の水をいとも簡単に蒸発させ消していた。
「っ!」
それに驚きつつも武は何とか私の火を避ける。



