用意されていた朝食を取って好きな席に座って気がついた。
蒼が私の隣に腰掛けて同じように朝食を食べようとしている。
「あ、蒼?」
さすがにしっかり目も覚めて違和感しかない蒼の存在に首を傾げる。
するとそんな私に蒼は「ん?」と不思議そうに首を傾げてきた。
つまりお互いに首を傾げ合っている状態である。
…なんだこれ。
「何で俺の隣にいるの。誰か待ってたんじゃないの?」
そんな顔される筋合いはない、と思いながら蒼に質問をする。
「待ってたよ。紅を」
「は?」
するとにっこりと、私を待っていた、と蒼が言ってきたので私は今度は眉間にシワを寄せた。
何で私を待っているの?
一緒に朝食なんて食べたことなかったよね?絶対になかったとは言い切れないけどさ。
「今日の調子はどう?」
「別に普通だよ」
「そう」
こちらに体を向けて私の髪に触れる蒼とその動きをじっと見つめる私。何故こんなにも私の髪に触れているのかさっぱりわからない。
「普通なら今日の実戦大会も安泰だね」
「うん」
私の返事を聞いて満足したのか蒼は私の髪に触れるのをやめ、朝食にやっと手を付け出した。
本当になんだったんだ。



