「じゃあ俺も幼なじみとして紅のチョコレートが欲しい」

「…え」

「年上の俺が甘えても可愛くはないか?」

「…っ!」



いつも無表情なくせに少しだけ眉を下げて願うような視線を琥珀が向けてくるものだからどぎまぎしてしまう。


え!何急に!
こんな琥珀知らないし、不覚にも可愛く見えてしまっている!



「きゅ、急に何。もちろん琥珀にも作るよ」

「ありがとう」



何とか琥珀に返事をすると琥珀は今度は珍しく控えめに笑った。

破壊力がすごい笑顔だ。
この笑顔できっと世のたくさんの女性…いや人類を殺せるのでは?

私の心臓もバクバクとうるさく死にそうだ。



こうして私は何故か朱だけではなく琥珀にもチョコレートを作らなければならなくなった。

琥珀に作るのなら武や蒼にも必要なのでは?