2度目の人生で世界を救おうとする話。前編







『…俺が紅に教えられることは1つだ。あの襲撃の中心は暁人だった。それだけだ』



数秒黙り込んだ後、言葉を選ぶようにゆっくりと龍が私の質問に答える。

暁人ーアキトーとは龍の右腕である妖だ。
龍の右腕だけあって強い上に頭も切れる。1度目の人生では人間不信の暁人と妖側になってからよく本気の殺し合いをした。

血のような真っ赤な瞳と甘い顔が特徴的な妖だが、その顔からは想像もつかないほど非常に性格は歪んでおり、まさに綺麗なものには棘があるを体現した妖だった。



「なるほど」



私は龍から〝暁人〟のことを聞き、心の中で頭を抱えた。


ちょっとくらい強い妖だとか賢い妖だとかとは暁人は格が違う。
妖界の実質ナンバー2だ。間違いなく厄介だし、どの妖よりも人間不信であると自信を持って言える暁人が相手だとこちらも骨が折れる。

負ける気はしないが暁人が相手だと他の妖の相手をする余裕はないだろう。