思わず心の中ではなく、声に出してしまった私の言葉がもう琥珀の姿が見えなくなった廊下へと消える。
『ええ。その通りです。最初にお伝えした通りアナタこそが歪みの中心だったのです。1番シナリオとは違う人生を歩んでいたのですよ、アナタは』
「…」
とりあえず自分の部屋の扉を閉めて壁に寄りかかりながら神様の話を聞く。
そうだった。
神様は最初からシナリオの歪みの中心であった私を中心に世界を見てシナリオが歪んでしまった原因を探ると言っていた。
『神様…前から聞きたかったんだけどさ』
『何ですか?』
『私に2度目を与えた意味を教えてよ。神様のやり方なら私に2度目を与える必要なんてなかったよね?』
ずっと前から疑問に思っていた。
私に神様が2度目の人生を与えた理由を。
だってそうではないか。
神様は最初からあまり私に指示や協力を仰ぐことはなかった。
いつだって好きにしていいと言われていたし、私が変えたいように世界を変えても構わないと言っていた。
神様は何も私に求めてこなかった。
私を中心に世界を見ることが世界を救うことになるのなら私に1度目の記憶なんていらないはずなのだ。



