2度目の人生で世界を救おうとする話。前編





『アナタの疑問に答える為、そして具体的にこれからどのように行動して欲しいのか伝える為に声をかけました』


神様の姿が見えないのでどのような表情で私に話しかけているのかわからないが、優しげな声音の中にもどこか少し緊迫した雰囲気も感じられ、真剣な話がこれから始まるのだということが伝わる。


『まずアナタの歪みに対する考え方はそれで大丈夫です。本来ならばシナリオを管理する私が先を見てアナタにある程度伝えたいところですが不測の事態故に私ですらどこからが世界を滅ぼすシナリオに繋がってしまうのかわからないんです。しかし今回は本来のシナリオとそうはならなかった1度目の世界の記録がある。この2つのシナリオと記録をアナタを中心に2度目は見ていき、小さな違いから歪みを探すつもりです。基本は私が見ていますのでアナタは好きなようにしていてください』

『え?』


最後に出てきた予想外の神様の言葉に思わず拍子抜けする。
私はただ好きなようにしてればいいの?それだけでいいの?イメージと違うんですけど。


『それは協力になるの?』

『ええ。それはもう十分に。アナタはただ失われた時間をしっかり取り戻して今度こそ幸せになってください。もちろん他の形で協力を依頼することもあるかとは思いますが』


疑問に思って質問すれば神様から明るい声でそう返事が返ってきた。
まぁ神様がそう言うのならそれでいいけど。それに神様の話を聞いた感じ本当に今はそれくらいしか協力できることはなさそうだし。

だが、そうなるとまた新たな疑問が浮かんでくる。


『神様は歪みの中心にいた私を生き返らせると言ったけどそんなことしなくてもただ普通に世界の時間を戻せばよかったんじゃない?私に2度目を与える意味なんてどこにも……』

「武、紅。迎えに来たよ」


神様への疑問を言葉にしている途中、それは私と武を呼ぶ誰かの声によって遮られた。