『神様!毎回毎回毎回!突然話しかけてこないでよ!心臓がいくつあっても足りないわ!』
『紅、そんなに怒らないでください。アナタが困っているところを見かねて私は声をかけたのですよ?』
突然のことに心の中で神様に怒れば、神様は飄々とした声でそう言った。怒っている私に申し訳なさなんて微塵も感じていない声音だ。
確かに困っていたかもしれないが大した困り事ではない。ただ謎の既視感にモヤモヤしていただけだ。
手を貸して欲しいと思うようなことではないし、そもそももっと大事な時にこそ私に応えて欲しいし、手を貸して欲しい。
いつもいつも応えて欲しい時には応えず、どうでもいい時に一方的に話しかけられると正直こちらも腹が立つ。神様には他意がなくとも気まぐれに相手にされているようにすら感じてしまう。
神様も忙しいだろうけどさ!
もうかれこれ夏くらいからそうでしょ!?
『まあまあ、紅。私にもいろいろ事情があるのですよ。落ち着いてください』
神様は私の心が読める。
なのでもちろん私のこの神様に対する不満も言わなくて伝わってしまう訳で。
声だけしか聞こえないが今神様はきっと困ったように笑っているのだろう。そんな声だ。
『…誰のせいだと思ってるの?せめて少しくらいは説明を…』
「紅?気に入ったか?」
神様にさらに文句を言ってやろうと今までの不満を出しかけたところで、それは不思議そうにこちらを見つめる琥珀の言葉によって遮られた。



