結局何がこれから起きるのか読めないでいると琥珀が口を開いた。
「守護者任命おめでとう、紅」
「うん。…ん?」
相変わらずの無表情のまま琥珀が私に小さな紙袋を渡す。私はそれを訳がわからないまま受け取った。
「…これは?」
まじまじと琥珀から受け取った小さな紙袋を見つめる。
その紙袋には小さな星が無数に散りばめられており大変可愛らしい。
状況が理解できない。
「任命祝いだ」
「に、にんめいいわい」
無表情ながらもどこか優しい目で私を見つめる琥珀曰く、どうやらこの可愛らしい紙袋は琥珀からの任命祝いらしい。
1度目では絶対になかったはずの琥珀からの祝いの紙袋に驚き、感情の抜け落ちたような機械的な声で私は琥珀の言葉を復唱する。
その姿はまるでよく言葉を喋るオウムやインコのようで、例えるならばご主人様の喋った言葉を真似てオウム返しにする、よくテレビで見るあのほんわかペット映像のようだった。
もちろん琥珀がご主人様で私がペットだ。
守護者任命は1度目の私にとって大きなイベントで実績でいわゆる今までの努力のゴール。勝ち取った評価だった。
なので1度目の私はそれが本当に嬉しかったし、周りの人達もそれなりに祝福をしてくれたことを何となくは覚えている。
だがしかし任命の祝いとして誰かから何かを貰った記憶はなかった。
忘れているとかではない。本当になかったはずだ。
「任命祝い…」
改めて噛み締めるようにそう呟いて小さな紙袋を見つめる。



