「紅の言っていることが正しかろうが正しくなかろうが俺にだけは本音を言ってくれ。内容によってはそれを否定する時もあると思う。それでも紅の側からは絶対離れねぇから。本音を言い続けることをやめるなよ」
まっすぐ私を見つめる武の切れ長の瞳に感じるのは絶対にこれだけは譲れないという意志で。
思いがけない武からの意思表示に私は思わず目を見開いた。
「例え紅が正しくなくて悪になって世界から嫌われても俺だけは紅の側に絶対いるからな」
「…っ」
どうして。
どうしてそんなことを言い切れるのだろう。
武は1度目であんなにもあっさり私を見捨てたのに。
ポーカーフェイスは得意だった。だから今だって何も思っていないフリをして「ありがとう」と言えばいいだけなのに上手くできない。
ぐちゃぐちゃになった感情がそのまま表情に出てしまう。言葉も上手く出せない。
「…う、ん」
何とか絞り出せた言葉もこの2文字のみ。
何て不自然な返事なんだ。
もう少し自然な返事はできなかったのかと心の中で頭を抱える。
「なんだよ、その返事は。そんなに俺のことが信用できねぇのかよ」
「…そ、そんな、こと、ない!ただ、意外で驚いただけ」
「はぁ?意外な要素なんてねぇだろ」
「…意外な要素しかないでしょ」
私の不自然な返事に対して不満そうな武を何とか宥めようとするがまたまた武のおかしな発言に思わず呆れたようにツッコミを入れてしまった。



