「このチョーカーを壊した方が勝ち、でしょ?」
「……あ、あぁ」
そんな複雑な想いを押し込み、先程先生から配られたチョーカーを武に見せると、武は驚いたように目を見開いた。
話を全く聞いていないはずの私がルールをわかっていたので驚いたのだろう。
何度も言うが私は2度目なのだ。なんなら武より実戦をわかっている。
「ちょっとくらい大きな技を出してもこのチョーカーが致命傷は避けてくれる。だから死ぬ心配はないんだよね?」
驚いている武が面白くて私はふふんっと鼻で笑って得意げにそう言った。
「だからってお前は本気を出しすぎるなよ?ある程度なら致命傷は避けられるけど、あんなチョーカーじゃあお前の本気にはきっと対応しきれない」
すると武はそんな私を見て意地の悪い笑顔を浮かべた。
大変失礼である。
「大丈夫だよ、心配しすぎ」
「するだろ、普通」
「何でよ」
「わからないのか?」
大変失礼な武に文句を言えばおかしそうに武が笑う。私も文句は言っているが半分はじゃれ合っているつもりだ。
「今から対戦相手と実戦の順番を決めるくじ引きをするぞー」
じゃれ合っていると先生が全体にそう声をかけた。一応初めての実戦がスタートするらしい。
そしてその後始まった実戦では2度目であることもそうだが、普通に実力差もあり開始1分もせずに私は相手のチョーカーを破壊することができたのだった。
もちろん冬麻家次期当主である武も私と同じような結果を残していた。



