クレープの恨み、と最初こそ思っていた私だったがそう思っていたのは本当に最初の方だけで気がつけばそんなことなんて忘れて私は武と一緒にこの夏祭りを思う存分楽しんでいた。
「…あ、武!次あれ見たい!」
武との射的を終え、次は何をしようかと思いながら武と歩いていると、ある屋台が私の目に入る。
先程のクレープの時のように勝手に行けば非常に武に怒られることはわかっていたので私は武に一応声をかけた。
「あー。ミサンガ?」
「そう!」
本当にただ一応武に声をかけただけなので、私は武の返事を待たず、珍しいものを見る目でミサンガの屋台を見つめる武の腕をぐいぐいと引っ張り、その屋台を目掛けて歩き始める。
私に突然強制的に引っ張られ「あ!?おい!紅!?」と武は驚いていたが無視して私は突き進んだ。
「…わあ」
ミサンガの屋台に着くと私は色とりどりの綺麗なミサンガたちに感嘆の声をあげた。
夏祭りでミサンガの屋台を見たのはこれが初めてだ。
おそらく武も初めてなのだろう。私の横で武も私と同じようなリアクションをしている。
「かわいいね」
「…あぁ、そうだな」
ミサンガを見つめながら笑顔でミサンガの感想を言うと武もそれに賛同してくれた。
心なしか武から視線を感じるのだが気のせいだろうか。



