私の判断だけではダメだ。これは世界に関わること。神様ときちんと相談して…。
「紅が目覚めたのか?」
ぐるぐると朱のおかしな様子について考えを巡らせていると今度は琥珀が私の顔を覗き込んできた。
無表情だが、その顔には疲れが見える。
「…紅。ごめん。俺のせいで…」
琥珀は私と目が合うと後悔でいっぱいの表情を浮かべて私に頭を下げた。
「大丈夫。私が…」
油断していたこと、それから私の考えが甘かったこと。これが今回の結果に繋がった。琥珀は悪くない、自業自得なのだ。そう琥珀に伝えたかった。伝えたかったのだが。
「姉さんは喋らないで。喋るのも辛いでしょう?今はゆっくり休んでて。琥珀さんは他にやるべきことがあるのでは?」
と、静かにだが、怒っている様子の朱に口を割られた為最後まで琥珀に伝えられなかった。
「…そう、だな。蒼や武も心配している。紅の目覚めを伝えてくる」
そして琥珀は無表情ながらも辛そうな顔をしてこちらに背を向け、部屋から出て行った。
「…朱」
さすがに我愛しの弟でも私の発言の邪魔をされると腹が立つので朱を拗ねたように見つめる。
何故、私の発言を遮った。
「…何?」
「何じゃないよ。わかっているでしょ?」
そんな私に対して珍しく冷たい態度を取る朱に呆れたようにため息を私はついた。
「…嫌いになった?」
「え?」
「こんな僕のこと嫌いになった?」
「…ええ?何でそうなるのよ」
冷たい態度を取ったかと思うと今度は今にも捨てられそうな子犬のような顔で私を心配そうに見つめる朱に戸惑ってしまう。



