「桜鈴様……」

時雨は頬を赤く染める。そして優しく微笑み、桜鈴の頬を撫でてくれた。

「私も、桜鈴様のことをずっと想っておりました。この想いは隠しておくべきだとずっと思っていたのですが、やっと口に出せました」

二人の想いは通じ合った。しかし、この恋は実らない。悲しい結末しかないことを二人は痛いほど知っている。

「桜鈴様、私は何度生まれ変わってもあなたを愛することを誓います。次の人生こそはこの恋を実らせましょう」

「ええ、約束よ」

桜鈴の涙が優しく拭われた。そして、二人は熱い口付けを繰り返す。禁じられた恋を諦めるため、最後に触れ合いたかったのだ。唇を重ねる音が響く。

「愛しています」

桜鈴と時雨は同時に言い、涙をこぼした。