同じホテルに泊まり続け、そろそろ移動しようかとホテルを出た5月8日。
軽くなったキャリーケースを手に、道を歩いていたときだった。
「っ、何?!」
突然に口が抑えられた。
息が、できない。
一気に視界が白く濁り、意識がなくなった。
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ざわざわとした声に、目を開けた。
どれくらい経ったのだろう。
わたしは手と足を縛られている。
この部屋にいるのはわたしと誰かだけで、
その誰かが口を開いた。
「やっと目、さましたね?
"蓮華"のお姫様!」
…違う。
「わたしはもう、蓮華の姫じゃない。
雀瓦さん」
「よくおわかりで、どーも雀瓦の総長です。
蓮華の姫じゃないとしても蒼野健斗の大切な人に間違いない」
「そんなこと思ってるかわかんないけど」
「そりゃどうかな。君が縛られて眠る姿を
蓮華に送りつけたからもうすぐ来ると思うけど。」
「来るわけない」
そう思っていたけど、1階で戦う音が聞こえてきたから、もしかしたらきてくれたのかもしれない。
…嬉しかったけど、もっと好きになってしまう。
「そうだ、いいこと思いついた。
あいつの前で君を襲ったらどうなるかな?」
「…別に構わない」
死ぬんだから、何されてもいい。
そう答えたとき、この部屋の扉が開いて
沢山の人が入ってきた。
「透花っ、!!」
「七瀬、無事か…っ?」
「透花大丈夫…?!」
蒼野、新さん、絢兎くん、七海くん含む
沢山の蓮華のみんなが。
「っ、てめぇ!!」
蒼野が殴りかかろうとしたとき。
頭にチャキっと何かが突きつけられた。
…拳銃だ。
「今一歩でも動いたら、この子殺しちゃうよ?」
そう言いながらも、雀瓦の総長はこれ弾入ってないからとわたしだけに言った。
雀瓦の総長は、わたしに少しずつ近づき
キスをした。
…気持ち悪い。
蒼野とは違うキスの仕方がなんだか嫌。
だけど拒むこともせずに受け入れる。
段々と手が下に下がってきて、ブラウスが乱暴にめくられた。
胸に当てられる唇が気持ち悪くて。
吐き気がした。
