ファーストキスがどうとか、死ぬんだから関係ない。
赤いのは気のせい。
赤はエネルギーの色だって言うから、
わたしには1番赤が必要ないのに。
なんなのあいつ。
慣れたようにするキスが腹立たしい。
簡単に踏み入ってくるのも腹立たしい。
両親が死んでから、誰1人としてわたしには踏み入ってこなかったのに。
イライラする気持ちをすっきりさせたくて
シャワーを借りることにした。
シャワーを借りようと一階に降りると、
既にたくさんの男たちがいた。
寝泊りしている人もいるみたい。
「おはようございます姫さん」
わたしに気づいた1人の男がそう言った。
「…おはよう」
「俺七海(ななみ)です!」
七海と名乗ったその男は、可愛らしくて
わたしよりもよっぽど七という数字が似合う男の子だった。
「わたし、七瀬透花…」
「あはっ!知ってますよ!
どこか行かれるんですか?」
「シャワーを、借りたくて」
「案内します」
こうやって人と話していると、
昨日死のうとしていたことが嘘の様に思える。
…死にたいのは本当なんだけど。
今まで人と話してこなかったから正直人見知り。
人と親しみ合うつもりもないから構わない。
案内され、ついたのは3つ並ぶシャワールーム。
お風呂はないみたい。
そのうちの1つに入ってシャワーを浴びた。
