週末 松濤の実家に行くと たいがい 兄一家も来ていて 家族で 賑やかに過ごす。

兄の長男の樹は 幼稚園に行き始めて お兄ちゃんらしくなっていく。

弟の翔は 歩き始めて 目が離せない。
 

「麻有ちゃんも もう少しすると 大変よ。追いかけるだけで ヘトヘト。」

義姉は 笑顔で 麻有子に言う。


だんだん 女の子らしくなる絵里加を 父は抱いて離さない。
 


「俺達 そろそろ こっちに 移って来たいんだけど。」

兄は 父と母に言い 義姉も 大きく頷いている。
 
「いいの、沙織ちゃん?」

母が 義姉に聞くと 義姉は笑顔で言う。
 
「今でも しょっちゅう 翔を お願いしていて。でも私 マンションに帰るから。何も手伝えなくて。一緒にいれば 少しは できることもあるのに。」


昼間 樹が 幼児教室の間 翔は 母が預かっていたから。

麻有子も 時々 絵里加を連れて来て 一緒に 世話をしていた。
 

「賑やかになって 嬉しいな。」
 
「家 古いから 少し 手直ししましょう。このままじゃ 使い勝手が悪いから。」

父も母も とても 嬉しそうに言う。
 
「そうだね。後で 工務店に 連絡しておくよ。」

両親と兄一家 智之一家。とても仲良くしている。

自然な形で 同居に踏み切る 兄と義姉を 智之は 感謝を込めて見つめた。