唯十くんたちからライブに招待してもらった翌日。

私は、彼らが準備してくれた特等席に、相良くんと並んで座っている。

まわりはエンプの大ファンで溢れ返っていて、こんなにたくさんの人たちが彼らを好きなんだと、改めてエンプの人気の凄さをヒシヒシと感じていると。

「で、なんで俺も?」

横から不機嫌な声がして私の耳に届く。

「えっと、私、ライブとか生まれてはじめてで一人じゃ不安で。でも、相良くん今日はオフだって宗介さんから聞いたから……その」

「丸山さん、俺のことなんだと思ってるの」

「……えっと、おか……ほ、保護者?」

お母さんなんて言ったらまた怒られる、と思って言い方を変えたけど、相良くんは安定して不満げな顔を見せてきた。

こんなやりとりをしてないと、夢見心地のこの空間に、これでもかってくらいにやけておかしくなっちゃいそうだから。

ヘラッと笑って見せた私に、相良くんが大きくため息をついた。

ステージが一番よく綺麗に見える最高の席。

どうしよう……本当に来てしまったんだ。
angel lampのライブにっ!!