顔をあげると、宗介さんが微笑んでいた。

「ライブの招待は、唯十と麻飛の提案だよ。俺からじゃない」

「えっ……」

まさかのセリフに驚いて、エンプのふたりに目線をうつすと、ニコッとふたり同時に笑顔を見せてくれた。

ふたたび唯十くんが口を開く。

「確かに、純恋ちゃんがここに来たことは偶然かもしれない。でも、この数日、純恋ちゃんの作る美味しいご飯と笑顔に元気もらってたのは俺たちの方だから」

「唯十くん……」

彼の言葉にじんわりと目頭が熱くなる。

「誰が来ても同じように感じたとは思わないよ。純恋ちゃんだから、俺たちのライブに来て欲しいって思ってるんだ」

「せっかくの夏休みなのにずっとここで働いてくれてるんだからさ!自分らのライブで言うのも変だけど。息抜きしてよ、純恋ちゃん」

と麻飛くんまで。

「……っ」

私よりも何百倍も忙しくて息抜きが必要なのはきっと彼らなのに。どこまでも素敵な人たちすぎるよ。

「……あ、ありがとうございますっ!……い、行きたいです。エンプのライブ!」

涙ぐんでそういえば、宗介さんが私の髪を優しく撫でて。

「やった!」「よっしゃ!」というふたりの声もリビングに響いた。