「え、エンプのライブに!?」

みんなでホラー番組を鑑賞した日から数日後。

深夜に帰ってきた唯十くんの衝撃的なセリフに私は固まってしまった。

「うん。すごく急で悪いんだけど、純恋ちゃんのこと招待したいなって」

こんなこと、現実で起こってしまっていいのだろうか。

エンプのメンバーから直々にライブに招待してもらうなんて。

もしかして、これも、宗介さんが私を励まそうとふたりに相談したことなんだろうか。

「特等席、用意してるからさ!」

なんて麻飛くんもキラキラした笑顔を向けてくれるもんだから、ときめいてしょうがない。

泣きそうなぐらい嬉しい。ずっと憧れだったエンプのライブ。行きたくてしょうがなかったライブ。

行ける日が来るなんて。夢みたいだ。

でも……。
いいのだろうか。私みたいなただの一般人が……。