「あの……相良くん、本当にいいの?明日仕事あるよね……」

コウモリのせいで完全にふたたび怯えモードになってしまった私は、

自室のベッドに横になりながら、隣に座る相良くんの背中に声をかける。

あの後、相良くんは「仕方ないから」と部屋に来てくれて、私が寝るまでそばにいるなんて言ってくれたのだけど。

ものすごく申し訳なくて。

「別に。仕事は午後からだし」

「でも……その、男の人と2人きりになるときはよく考えろって」

薄暗い部屋の中。

すぐ目の前に相良くんの背中があるという状況に少し胸がドキドキする。

「今回は緊急事態だろ。一睡もしないでフラフラなまま食事作られてもそれこそ危ないし」

「……う、ごめんなさい」

「ん。悪いと思うんなら、早く寝ろ」

「っ、は、はい……」


言い方はちょっぴりキツく聞こえるけれど。
最近は、それにも慣れて、逆にちょっと心地いかもなんて。

それはきっと、やっぱり相良くんってなんだかんだ優しいんだってことが伝わるから。

「ありがとう。……おやすみなさい」

と小さく呟いて。

彼の背中の温もりを感じながら目を閉じた。