うぅ、そうやって決めつけて話したらさらに相良くんの機嫌を損ねちゃうよ。
と心配していると案の定、相良くんが口を開いた。
「あ?俺はただ、唯十もあんなことがあったんだからもう少し注意しろって言って───」
「あーはいはい、その話は純恋ちゃんの前で禁止」
『あんなこと』って?と思っていたらすかさず、曜さんが相良くんの声を遮った。
その瞬間、一気に場の空気が変わった気がした。
な、なに?
私が来る前、なにかあったのかな……。
あんなに相良くんが線を引けっていうぐらいだ。
唯十くんと唯十くんのファンの間に何かあったんだろうか。
「そうだよ!せっかくみんな集まれたんだから、ケンカとかやめよ!!あ、てか、今日あれじゃない?!」
と麻飛くんの声でだんだんといつもの空気が戻る。
「そう。恒例のあれ、な」
そう呟いた曜さんが、ニヤッと笑った気がした。
恒例のあれって……。



