「たっだいま〜!……え!!めちゃくちゃいい匂いするんだけど!」
キッチンでひとり夕飯の準備をしていると、玄関から軽快な声が聞こえてきた。
目線を上げれば、ちょうどリビングにやってきた人物と視線がぶつかる。
赤のヘアカラーに爽やかな短髪がよく似合う彼は、唯十くんと同じangel lampのメンバー、武東麻飛くん。
グループの王子さま担当の唯十くんとは少し違って、お調子者でお笑い担当の麻飛くんは、エンプ1のムードメーカー。
「純恋ちゃん!早速夕飯作ってくれてんの?!」
キラキラと目を輝かせながらこちらへやってくる麻飛くんの圧倒的なアイドルオーラにめまいがしそうになる。
この間見た時はあまりの衝撃で倒れちゃってよく見られなかったから。
バラエティに出るとよく芸人さんにいじられている彼だけど、こうやって生でみると顔はテレビ画面で見る時よりもすごく小さいし、脚だってうんと長い。
立派なアイドルだと痛感する。



