でもやっぱり、まだちょっとなに考えているのかわからないと言うか。不機嫌かと思ったら急に冗談を言ってきたり。掴めない人だなって思う。
「それにすぐに気がつけた純恋ちゃんなら、あいつの拠り所になれるかもね」
「拠り所、ですか?」
「ううん。独り言〜。あ、どうする純恋ちゃん、先に一緒にお風呂入っちゃう?」
っ!?
「は、入らないですよ!!」
意味深なことを言ったかと思えば、突然なにを言い出すんだ。顔に熱が集まる。
「赤くなっちゃって可愛いー。じゃ、俺先に入るね。夕飯楽しみにしてる」
曜さんは私の耳元に口を近づけてそう言うと、脱衣所に向かった。
はぁ……。心臓に悪い……。
唯十くんほどファンじゃないとはいえ、よく見ていた俳優さんだ。あんな冗談言われて至近距離で話されちゃ、ドキドキしてしまう。
私、本当にここでやっていけるのかな。



