ドラマの印象と全然違くて驚いたけど。
それに、襲うって……大丈夫だよ。相良くんには私、きっと好かれていないし。
というか、日頃から綺麗で華やかな女の子たちに囲まれている芸能人だ。
私みたいな平凡な女を見てもなんとも思わないだろう。
「いや、マジで曜くんには言われたくないから」
相良くんは続けて「俺、部屋で仕事してくるから邪魔しないでね」と言ってリビングを後にした。
行ってしまった……。
「ふっ。可愛いでしょ。雫久」
「え、かわいい?」
ふたりきりになったリビングで曜さんにいきなり話を振られて、どこが?というセリフを飲み込む。
「口調はちょっと冷たく聞こえるけど、ああ見えて、一番優しいんだよ。この家の中で」
「……はい」
私の小さな返事を聞いて、曜さんが「あ、気づいてた?」と言って笑う。
彼が優しいことはなんとなく感じている。



