無事にスーパーについてカゴを取ろうとしたら、相良くんが先にカゴを持ってそれをカートに置いて店内へと入っていった。
これまた意外な面を見てしまった。
相良くん、カゴとか持つんだ。
初めて会った時の無愛想さからのイメージのギャップがすごい。
「なに」
その様子をジーッと見ていたら、少し不機嫌な顔で見下ろされた。
「あ、いや、ちょっと意外で。相良くん、率先してカート引いてくれるんだなぁと」
「はぁ?」
うわ、やっぱりいちいち言わなくていいことだったかな。
さらに不機嫌にさせてしまったかも、と思っていたら、
突然、頭の上に彼の手のひらが乗った。
「食べ盛り男4人の食材の量、舐めない方がいいよ」
そう言った相良くんの口角が片方クイッと上がる。
え?
「丸山さんの身長じゃ、前見えなくなるぐらいカゴいっぱいになるから」
「なっ」
確かに身長153センチの私はあまり背が高いとは言えないけれど、それはあまりにも……。