「そう。じゃ、これ」
「え……これは、」
相良くんから手渡されたのは2枚のカード。
1枚目の黒のカードには見覚えがあった。
宗介さんがこの建物の入るときに機械にかざしていたカードだ。
「こっちはカードキー。エントランスで暗証番号打つ前と、玄関の鍵開ける時に使う」
と相良くんが黒のカードを指す。
「暗証番号も今口頭で言うから一回で覚えて」
「あ、はいっ」
そう返事した瞬間、相良くんの口元が動いて4桁の数字を発した。
「覚えた?」
「うん」
「ん。次はこのゴールドのクレジットカード。主に丸山さんが食材の買い物するときこれで支払う」
「えっ?!カードで買い物?!」
そんなの今までパパがうんと大きな買い物をした時に目にするぐらいで……。
使い方とか全然知らないんですが。