久しぶりのシェアハウスにドキドキしながらドアを開けて、キッチンで手を洗ってから早速相良くんの部屋へと向かう。

──コンコンッ

「はーい」

と相良くんのちょっと力のない声。
やっぱり、ちゃんとご飯食べてないのかな。

心配だ。
今すぐ食べてもらわなきゃ。

そう思ってすぐに扉を開けると。

ローテーブルで台本を読んでいた相良くんと目が合った。

「えっ、純恋?!」

「ごめんね!突然押しかけて、その……」

相良くんに『純恋』と呼ばれることに慣れていなくて、

と言うか、直接呼ばれるのは相良くんが酔っ払った時以来でドギマギしてしまう。

「宗介さんから、相良くん、ちゃんと食べてないって聞いて」

「え……もしかして、それ、純恋が作って来てくれたの?」

「うん……」

とりあえずここ座って、と言われて部屋に入ってから、重箱をローテーブルに置く。

今さらながら、作りすぎたかもと若干後悔してるけど。

「ごめんね、あの、久しぶりで張り切って作りすぎちゃって」

あはは、と笑ってごまかすけど、相良くんは弁当の大きさにびっくりしてるのか固まったまま。

どうしよう。引かれた?!