「あれ、本心だから」

「……っ」

グッと相良くんの顔が近くなって、さらに心臓がうるさくなる。

「嫌いになった?」

そう言われてブンブンと首を横に振る。
嫌いになんてなるわけない。

だって、私は……。

「なるわけないよっ……嬉しかったんだもん、私っ」

「えっ……」

相良くんも、歌で伝えてくれたから。
私だって。

「確かに、唯十くんの大ファンだよ。けど、唯十くんはアイドルとして、芸能人としてリスペクトしてて好きで。でも……相良くんは、違う。……全然違う、その……」

「どう違うの?」

お互いの吐息がかかりそうな距離で、甘くささやくように聞く相良くんはずるい。

けど、この気持ちはもう溢れて止まることを知らないから。

「……もっと、触れたいって思う」

私が勇気を出して呟けば、目の前の彼は一瞬目を見開いてフッと笑ってから。

「……俺も」

そう言って私の唇に優しく唇重ねた。

ゆっくり離れてからふたたび視線が絡むと、大きな手が私の頬に触れて。

「丸山さんが好き。昔も今も。ずっと、会いたかったよ」

その真っ直ぐすぎる言葉に、鼻の奥がツンとして視界がぼやける。

「……っ、こんな私好きになってくれて、ありがとうっ……私も、相良くんが好きっ」

もう一度、恋をするのが怖かった。
けど。
もう一度、恋をして良かった。

相良くんを好きになって、出会えて良かった。

そう思えるのは、曜さんや唯十くんの麻飛くん、素敵なシェアハウスのメンバーのおかげでもあって。

幸せで胸がいっぱいだ。