……あれ、この曲……。
静かな優しいイントロ。
どこかで聴き覚えがあった。
これって……。
眠っていた記憶が、曲によってふたたび呼び起こされる感覚。
嘘……。
ずっと昔。
『♪〜♪〜♪』
『カイトくん、その歌素敵だね!なんの曲?』
浜辺を歩いていると、隣から聴こえてきた素敵な鼻歌の音色に反応した。
『……作った』
『えっ?』
『ぼくが作った歌だよ。まだ歌詞はないんだけど』
『え!カイトくんが?!すごいねっ!!もし歌詞ができたらその時は私も一緒に歌いたいっ』
『うんっ、みーちゃんも一緒に歌おう』
そう言って照れたように微笑んだ彼──カイトくんの顔。
───今、思い出した。
まさか……。
相良くんが、カイトくん───?!



