「1週間ぶり、純恋ちゃん!お邪魔してます。急にごめんね。元気だった?」
「げ、元気ですけどっ、あの、なんで……」
こんなの当然パニックになってしまって言葉なんて出てこない。
「もう純恋ったら固まっちゃって!」
ママが私の隣で色々と話しているけれど、それも聞こえなくなるぐらい、衝撃すぎて。
だって、こんな風に会えるなんて思っていなかったから。
さっき、街の大きなスクリーンで彼を見たばかりだ。
一体なんでこんなところに……。
「純恋ちゃんと、デートしたくて」
バチッと目が合った瞬間、唯十くんが爽やか笑顔でそう言った。
「え?」
ずっと頭が大混乱のなか、ママにもぐいぐい背中を押されて、私は言われるがまま、宗介さんの運転する車に乗り込んだ。
えっと……。
デート……とは。
私の知っているデートと、彼の言ってるデートは果たして同じ意味だろうかと考える。
推しに、デートに誘われてしまうなんて、そんなことあっていいのだろうか。



