「ごめんね、純恋ちゃん。最後なのに、なにもできなくて……」

「そんなことないです!皆さん、一日中仕事でお疲れなはずなのに、こうやって集まってくれてることがもう!本当に嬉しいのでっ」

「ほんとかわいいことしか言わないね〜純恋ちゃん」

と曜さんがちょっぴり雑に私の頭を撫でた。

「本当に色々とお世話になりましたっ」

相良くんと話した日から、5日経つのは本当にあっという間で。

今日、私はシェアハウスを出る。

夜の22時。

仕事から帰ってきたばかりの唯十くんと麻飛くん、曜さんが玄関の前で私を送り出してくれる。

「お世話になったのは俺らの方だよ。おかげで元気に仕事ができた。これからは、俺たちもちょっとは自炊頑張らなきゃだね」

と唯十くんが笑う。

この笑顔にどれだけ救われてきたか。

「あっという間すぎる。ほんと寂しいよ。純恋ちゃんのご飯が食えない日々に戻るのが怖すぎるっ!!」

なんて麻飛くんが大げさなことをいうので吹き出す。

「ごめんね、純恋ちゃん。雫久、ライブの最終準備で遅くなるみたいで……」

「ああいえ、大丈夫ですっ!」

唯十くんのセリフにどんな顔をしていいかわからない。