どうしよう一気に緊張がっ!!

だって、見なくてもバシバシ伝わってくるんだもん。

皆さんのオーラというか圧というか。

それにまだ決まったわけじゃ……!

「えっ、と、……丸山 純恋です。その、今日はまだ見学という形で……」

「まって、制服?え、女子高生?!未成年?!」

私が挨拶するなり、そう反応する大人の人の声。いやそうなりますよね……。

『シェフ』って聞いていたから尚更、コック帽を着た一流シェフを想像していたに違いないよ。

「まあ詳しい話は追々するとして。みんなも純恋ちゃんに自己紹介して。……純恋ちゃん、顔あげて」

「……っ、」

宗介さんの言葉で私が恐る恐る顔を上げたのとほぼ同時だった。

「じゃあ俺から。はじめまして。angel lampの 入野 唯十(いりの ゆいと)って言います。18です」

「……っ、」

……嘘でしょ。

『ライドリアーム』その事務所名を宗介さんから聞いて、まさかと思ったけど。

美少年。その言葉が本当によく似合う。

ミルクティーカラーのサラサラの髪に、くっきり綺麗な二重とスッと通った鼻筋。

見る人までも笑顔にさせるような、爽やかな笑顔。

本物だ。

いや、テレビで見るよりも何億倍もかっこよくてキラキラしてて。

どうしよう。
いや、本当に?

だってこんなことって……。

今、私の目の前にいるのは、入野唯十くんなの?